↓7巻の考察はこれ
神崎の独白で分かったこと
これまで神崎が綾小路の父親と同じ「力を持っていながらそれを使わないのは愚か者のすることだ」という言葉を使ったことによって、ホワイトルーム生の疑惑があった。
しかし、今回の独白でホワイトルーム生ではなく、財界に影響力のある家の一般的な生活を送ってきた生徒だと分かった。
そして、「力を持っていながらそれを使わないのは愚か者のすることだ」という言葉の前に、「助ける力を持っていないのなら、逃げることも無視するのもいいだろう」という言葉が付け足されていた。
これを言った人物で最初に思いつくのは、綾小路の母親という線だろう。
綾小路の父親なら、「逃げることもいいだろう」なんて甘いことは言わない気がする。
それに、常に護衛をそばに置いていると思うので、違う気がする。
神崎は、綾小路という姓も気にしているようだった。
その人物がホワイトルームの理念を共有しているかは不明だが、ホワイトルームよりも広い視野を持っていそう。
そして、神崎を悩ませた子供は、「仲間だからという理由だけで、嘘を非難することなく守った。」と書かれているのが気になった。
その行動は2年生編4.5巻で神崎が口にしていた「石上京」の人物像に当てはまる。
石上は味方にはとても優しいが、敵には容赦しないと言われている。
こうなると、神崎が石上のことを良く知っている理由にもなる。
これらの謎が後半になって神崎と坂柳によって明かされた。
修学旅行の行き先
満場一致特別試験で修学旅行にはどこに行きたいかという問題があったが、結果的に北海道になる。
綾小路は少し残念そうだった 笑
修学旅行は4泊5日という割と長いもので、その中に自由行動が2回もある(波乱の予感)
修学旅行のテーマ「敵を知り己を知れば百選危うからず」 は班分けは各クラス男女2人ペアで4クラスなので、基本は8人行動をする。
口絵からだと龍園と櫛田と綾小路の3人グループなのかと思ったが、あと5人は誰になるのかが読んでいてワクワクさせてくれた。
生徒を評価した理由
修学旅行の班分けに使うために行った学年全員の評価がかなり気になるところ。
これを使って特別試験が作られるであろうことは分かるが、詳細は今の時点ではさすがに分からない。
「学校の上層部」がこのデータを欲している理由は、OAAでは測りきれない評価を集めるためではないだろうか。
そして、来年以降の評価基準にするとか。
七瀬は結局何者...?

とりあえず天沢が学校に残っていてよかった!
天沢が学校に残る決意をした後の綾小路と七瀬の会話がとにかく情報量が多かった。
・天沢のことを警戒している
・潜んでいるホワイトルーム生を警戒していた
・外部からの危険がある文化祭や修学旅行での心配はしていない。
・綾小路に知られたくない事情がある。
とにかく謎だった。
綾小路の仮説では、七瀬は月城が残したナイト(綾小路を守る者)で、綾小路の父親は退学を望んでいない、というもの。
そうすると、これまで気になっていた、ホワイトルーム側のどこかやる気のない退学への行動に説明がつく。
これは物語の大きな転換点なのではないだろうか?
個人的に気になったのは、綾小路が土産に何を欲しいかと聞いた時に「バター」と答えたのは一般社会を知らないからのように感じた。
これは天沢にも椿にも見ることのできる特徴。
初期の綾小路にも似てくるが、ホワイトルーム生は一般常識のようなものがないので、この発言はホワイトルーム生を思わせた。
修学旅行の開始
綾小路たちのグループは
グループ6
Aクラス 鬼頭隼人 山村美紀
Bクラス 綾小路清隆 櫛田桔梗
Cクラス 龍園翔 西野武子
Dクラス 渡辺紀仁 網倉麻子
このようになった。
かなり気になる生徒が集まった。
これまで登場が少なかった鬼頭と山村にスポットが当たったのがうれしかった。
このグループでは龍園と鬼頭のやり合いが面白く、それに翻弄される綾小路と渡辺もよかった。
綾小路と龍園がバスで隣だったので、2人が多く会話をしていたのも印象的。
龍園は八神の退学に立ち会っていて、綾小路と同じ雰囲気を感じていたことから情報を引き出そうとしていた。
今回の8巻ではホワイトルームについて綾小路に迫る生徒が、堀北・櫛田・一之瀬・神崎・龍園とかなり増えた。
これはそろそろ隠し通すのは難しいのでは? 笑
スキー場にて
口絵が公開されたときには綾小路もスキーの経験者なのかと思ったが、初心者でずっこけていたことが新鮮で可愛かった 笑
また、文化祭に続いて綾小路と飾らずに話している櫛田がとっても好印象で、いいキャラになった思った。
櫛田もまた八神と綾小路との関係を気にしていたようだったが、偽りの詳細を聞かされた後に退学させたのは綾小路だと分かると、少しドキッとしていたところがよかった。
山村は龍園を監視するような動きを見せていた。
それは坂柳の指示だろうが、坂柳とあまり話したことが無いという発言に驚かされた。
他クラスの綾小路の手前なので嘘をついた可能性もなくはないが、本当のような感じだった。
堀北と櫛田の温泉での会話
満場一致特別試験で櫛田を受け入れた堀北たちの温泉シーンがツッコミどころ満載だった。
温泉にどちらが長く入っていられるかなんて小学生レベルだが、いつも優等生な2人がそれをやっていると面白かった。
そして櫛田は、無意識に一之瀬に対して綾小路のこと探るために恋愛関連の質問をしているところで、もう綾小路のことを気になり始めてるな(笑)と思っていた。
ちゃっかり自分が恋愛に興味ないアピールをして、興味のない男子を寄せ付けない策略を実行しているところが櫛田らしい。
男子部屋でのひと悶着

龍園は櫛田と協力をしていた時期があったので、時折裏事情を暴露しようとする発言をしていて、読んでいてドキドキした。
自由行動の方針について話し合っているのにも関わらず、龍園が寝る場所について話し始める空気の読めなさが少し可愛くもあり、意外でもあった 笑
その話が白熱して、枕投げで勝負となり結果的に綾小路の枕が犠牲になってしまう。
あの枕は果たして変えてもらえたのだろうか?
そして、枕投げのシーンの挿絵の鬼頭がモンスターのようだった 笑
その一方で龍園はかなりイケメンだった。
次の朝に綾小路が猫特集のテレビを見ているところや、鬼頭がファッション誌を読んでいることなど、各人の意外な一面を見ることができた。
テレビの速報として直江元幹事長が亡くなったというニュースが入る。
そして総理大臣の言葉として
人には添うてみよ、馬には乗ってみよ。私が直江先生に出会って間もないころ、贈っていただいた言葉です
ようこそ実力至上主義の教室へ2年生編8巻より
という気になるシーンがある。
この直江というのはようこそ実力至上主義0巻のあらすじに登場した、綾小路父が所属していた派閥の長のことだろう。
この出来事にはどんな意味があるのかは分からないが、ホワイトルーム関係者としては後ろ盾がなくなったので、焦っているのではないだろうか。
よう実のDVDの発売日が本来なら8巻の前だったので、0巻で登場している前提での話だったのかもしれない。
神崎にアドバイスをした人物?
綾小路の父が直江派だったということは、あの言葉が直江の言ったものだったことも考えられる。
そして、子供の神崎にアドバイスを送った人物は、直江の可能性も出てくる。
綾小路父のことを知っている神崎なら直江との面識があってもなんら不思議はない。
スキーに行く途中
スキーに行く組のバスが遅延して、雪だるまを作るグループが現れている中で、気になるところがあった。
坂柳が雪に足を滑らせ転んだ時に龍園クラスの時任が優しく手を差し伸べていたのだ。
時任と言えば、満場一致特別試験で龍園に歯向かった気性の荒い生徒というイメージがあったが、優しい一面もあったみたいだ。
この光景は去年の混合合宿での、今はなき山内を思い出す 笑
その時には山内は助けようとはせず立ち去ったことで、結果的に退学に追い込まれてしまったのだが 笑
他クラスの生徒同士が助け合う貴重な機会であることがよく分かる。
山村と龍園と綾小路

バスを待っているときに山村が手袋をしていないことに気付いた綾小路だったが、その時には何もしなかった。
しかし、バスが目的地に着いてからも山村が寒そうにしているのを龍園と綾小路は気付く。
さすがこの2人の洞察力は鋭い。
龍園はそれを気にかけたようで
おい山村、おまえ手を出してみろ
ようこそ実力至上主義の教室へ2年生編8巻より
と言っていたので、読んでいるときはまさか龍園が手袋を貸すというイケメンムーブをするのか!? と思った。
しかし
オイ綾小路、テメェの手袋でも貸してやれ
ようこそ実力至上主義の教室へ2年生編8巻より
とその役目を綾小路に押し付けたので、少し残念だった。
龍園・葛城・堀北・綾小路でカラオケで話し合ったときもオレンジジュースを頼んで、可愛いところもあると思わせておいて、ぶっかけるということがあった。
龍園は期待させるだけさせておいて、期待を裏切ってくる 笑
山村が手袋を借りた時に、自分がつけると汚れてしまうと言っていたところから、過去に何か暗いものがありそうだと感じた。
龍園の考え
スキーのリフトに綾小路と龍園が乗った時に気になる会話があった。
龍園ならば偶然同じグループになった鬼頭を仲間に引き入れようとしそうだが、それをしないのは鬼頭の忠誠心を認めているからのようだ。
同じように橋本もリスクを考えると手駒にするのを避ける考えみたいだ。
1年生編11.5巻で龍園・橋本・神崎がトイレにいる場面があったので、ひと悶着あると思っていただけに意外だった。
また、橋本を使って坂柳クラスに打撃を与えるつもりではないことも分かった。
8億プライベートポイント計画
ちょうど1年ほど前の7.5巻の冬休みに満身創痍の龍園と綾小路との話で、8億プライベートポイントを貯めてクラス全員をAクラスに上げる戦略を口にしていた。
今回、その計画はまだ諦めておらず実行しようとしていることが分かった。
龍園は綾小路にその計画に協力を求めたが、突き付けた条件が厳しいもので、あっけなく交渉が決裂。
個人的には協力してほしかったな。
山村と西野が他校のヤンキーに絡まれているところに、龍園と鬼頭が駆けつけてボコすシーンで味方につけたときの2人の安心感があった。
須藤の告白

前々から思いをはせていた堀北に、ついに告白をすることを決意した須藤。
最初は雑談から初めて、いつもの須藤とは違うもじもじした態度で告白をする。
受けた側の堀北は1年生の時では考えられないような優しい返しで断るが、その理由が恋心を知りたいというものだったので、可能性が全くないわけではなさそう。
でもやっぱり綾小路にいくのかな?
その時の手を握る堀北の挿絵が艶があって美しかった。
この挿絵はもうメインヒロインだろ! 笑
須藤に対しての優しい物言いとは大きく変わって、綾小路に対しては厳しい口調なのは変わらなくていいな、とも思った。
告白の一部始終を見ていたことを察知するだけでなく、綾小路の考えていることもまで分かっていたのは、さすが長い間の相棒だと感じさせた。
3日目の出来事
市街地の探索をするという時に、龍園が1人だけプライベートポイントを優先する方向に進もうとする。
龍園は一歩も譲ろうとせず、鬼頭はそれに反抗してどちらに転んでも丸くはまとまらない方向に進んでしまう。
櫛田と綾小路は相談し、綾小路が龍園とグループ全体に提案をし、龍園が折れた。
その後にビュッフェが開催されて、綾小路・石崎・アルベルト・西野で食事をすることになる。
西野のイラストも艶やかでセクシーだった!
食堂を後にした龍園は櫛田に自分が持っている情報で脅しをかける。
龍園は櫛田の本性を知っているので、それを全学年に吹聴すれば櫛田と堀北クラスには大ダメージ。
櫛田をクラスの味方と認めている綾小路は、その脅しを止めにかかって、そこがかっこよかった!
だがそんなことをすれば、おまえは学年末試験で坂柳と戦う目的が達せられなくなる
ようこそ実力至上主義の教室へ2年生編8巻より
と龍園にくぎを刺す。
さすがに一戦を交えたことのある龍園はここで引き下がる。
とにかく危ない橋はもう渡らなくていい。今の自分を大切にすることだ。
ようこそ実力至上主義の教室へ2年生編8巻より
ここで櫛田は確実に落ちたのだろう 笑
心を落ち着けるように。
大丈夫、大丈夫……
ようこそ実力至上主義の教室へ2年生編8巻より
と言っているところは、口絵にあったね!
メロンブックスのSSに櫛田の心境があって、可愛いかった 笑
綾小路と櫛田が同じ班になったことで、徐々に距離が縮まって恋に発展していたのかな。
堀北に秘密を開示する
文化祭の時に堀北が聞きそびれた八神についての質問を綾小路に問いかける。
さらに根本の綾小路清隆とは何者なのかという質問も同時にする。
これまで詮索をさせなかった綾小路だったが、自分が八神退学に関わっていたことを開示する。
さらに気になる発言に、
いずれ相対した時、それを活かせる可能性を作っておく。
ようこそ実力至上主義の教室へ2年生編8巻より
というものがあった。
これは、移籍後に堀北と戦うことを視野に入れた考えだろう。
その後のマッサージチェアの教師2人はかなりエッ○な感じだった 笑
星乃宮が大富豪に例えて、綾小路は反則カードだと不満を漏らしていたが、その反則カードが自分のもとに来た時にはどんな反応するのかが楽しみだ。
よく考えれば、高円寺もジョーカーたりえるので、本当に反則レベル。
4日目の雪合戦
綾小路は渡辺に誘われて雪合戦をしに外に出る。
雪合戦を仕切っているのが平田というのが少し意外だった。
そして、毎度恒例の伊吹VS堀北の戦いもあった。
珍しいことに伊吹が勝利をしていて、びっくり!
山村も雪合戦を見学していて、綾小路と話しているところと挿絵で印象が大きく変わった。
これまでは、坂柳に信頼されていることから恐ろしい力を持っているのではないか、と思っていたが普通の女の子という感じだった。
坂柳と気楽に話している時任を羨んでいるということは、もっと坂柳と話がしたいのだろう(かわいい!)
強引に雪合戦に参加させられていたが、綾小路の助けもあってとっても楽しそうだった。
この2人の絡みも今後に増えてくるのかもしれない。
坂柳と神崎の意外な関係
体育祭の時に綾小路の部屋に来た人物を特定したということで、坂柳と合流する。
その人物を知る2年生を待つまでの雑談のなかで、
しかし綾小路くん。未来が常にあなたの思い通りになるとは限らないものです。
ようこそ実力至上主義の教室へ2年生編8巻より
と発言していることが気になる。
綾小路の知らない出来事が起こっているのか、それとも坂柳が邪魔をするつもりなのか。
そのタイミングで神崎が現れてしまったので、真相は分からない。
まさか神崎と坂柳が顔なじみだったとは驚かされた。
これまで全く接点がなかったが、もしかするとまだそのような人物がいるのではないだろうか。
例えば、高円寺は高円寺コンツェルンの跡取りということで財界人であることは間違いないので、この2人と接点がない方がおかしい。
となると、坂柳クラス・堀北クラス・一之瀬クラスにはそのような生徒がいることになるので、龍園クラスにも1人くらいいそうな予感。
坂柳が石上に電話をしたことで、電話の主と部屋を訪ねてきた人物が確定した。
石上の強さと行動理念が気になるシーンだった。
一之瀬との密会?

最終日の夜に一之瀬が姿を消して、ちょっとした騒動になっていて、綾小路も捜索に協力をする。
寒い外にいた一之瀬を見つけた綾小路は、話しかけるがあまり良い返答は得られない。
雑談の中に
ホワイトルームって知っている?
ようこそ実力至上主義の教室へ2年生編8巻より
という質問が混ざっていたことには動揺した。
しかし、無人島で月城と司馬から聞いていたことから自然な流れだと分かる。
その後は自分のやり方では上位のクラスには追いつけないという内容の話をする。
そこでの会話は11.5巻の綾小路の部屋でのそれを思い出させる。
春休みに一之瀬と話す計画をしていた綾小路だが、この調子だと計画を前倒ししそうだ。
そして一之瀬の欲しいものとは何なのだろうか。
まとめ
イラストが浴衣姿でいつもとは違う艶やかさがあって、新鮮だった。
堀北と一之瀬は特に印象的だった。
今回は、多くの謎が明かされた印象を受けた。
幼い神崎に話しかけたのは、本当に綾小路の父親なのか。
七瀬は本当に一般生徒なのか、またホワイトルーム生だったとしたらどんな思想を持っているのか。
石上のことを今後はどのように対処していくのか。
といろいろある。
一之瀬の状況も見ると、綾小路の計画が前倒しされる可能性が高まったと思う。
以外にも11月末なので、ここから綾小路はどう動くのか、クラス移動はいつになるのかがさらに気になる展開の連続だった。
そろそろ綾小路がヒロインズに恨まれないかが心配な状況になってきた 笑
物語の大きな転換を予期させる巻だったように思う。
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